GENの歴史 1990-1955

GENの歴史 1996-1999GENの歴史 2000-2001

はじめに

環境問題を意識し計画的につくられたコミュニティのメンバーたちを、グローバル・エコヴィレッジ・ネットワ―ク(GEN)としてまとめた機動力は、デンマークにあるガイア・トラスト(Gaia Trust)の創設者であるロス&ヒルダー・ジャクソンでした。「1990年に、トラストはその人的資源や情報をさらに進んで持続可能性のための運動に活用するためにはどうしたら良いか考えていました。」とロスは言いました。「わたしたちは、次の結論に達したのです。何よりもまず、世界はこの技術が進歩した社会で、持続可能で精神的にも満たされる自然と調和した持続可能な暮らしとは一体どんなものなのか、その良い例を必要としているということを。」

1982年から1989年にかけて、Nordic Alternative Campaign(ノルウェーのThe Future in our Hands のエリック・ダマンが主導)はグローバルな社会的問題や環境問題を解決するという構想のために、100ものノルウェーの草の根の活動と自然科学を研究するグループとのネットワークを作りました。ヒルダーはこの間にデンマークのグループにて活動し、非公式にノルウェーでのコーディネーター役もしていました。先駆的なプロジェクトや考えうるテーマやセミナー、展示、コンペなどが行われました。この動きは3つの北欧国議会に提議され、プロジェクトに1億クローネが資金提供されるよう要求されました。ノルウェーでは資金が割り当てられましたが、デンマークでは決議に一票足りず資金が得られませんでした。

このプロジェクトに草の根で参加している人々にとって明白になったのは、わたしたちには世界を変えるために必要な全ての知識や手段があるということでした。わたしたちにはこれ以上レポートや研究などは必要なかったのです。しかし北半球に住むわたしたちは自分自身の家をきちんとしたものにし、持続可能なコミュニティを建設し、この世界の残りを搾取することをやめなければならないのです。

これが1990年にガイア・トラストを創設し、ガイア・トラストの「陰陽」戦略を考え出した背景でした。400年間に及ぶテクノロジーと経済の発展(陽の部分)は、どのように社会が組織化されるかということを決定しました。そして今人々は、自然と調和した持続可能で精神的に満たされた社会の中でどうやって生きたいかを決める時に来ていたのです。それは世界的にもまさに求められていたものでした。これが戦略の「陰」の部分です。陽の部分とはこのヴィジョンに役に立つテクノロジーを発展させることでした。

というわけでガイア・トラストはシアトルのロバート&ダイアン・グリマン(In Context magazineの編集者)に、実地に調査をし、世界で一番良い例となるエコヴィレッジを明らかにするよう依頼したのです。1991年にグリマンがガイア・トラストに出した報告書によると、面白いコミュニティや個性的なところはたくさんあるけれど、本格的な理想のエコヴィレッジはまだ存在しないということがわかりました。しかし同時に、現在あるプロジェクトのなかで様々な文化やライフスタイルが役にたつという全体的なヴィジョンを作り上げたのです。


最初のエコヴィレッジ

どれが最初の「エコヴィレッジ」だったのでしょうか?それは難しい質問です。なぜなら現在のGENのメンバーの多くが、この言葉が存在するよりも前にそれを作っていたからです。60年代には精神性に基盤を置いたいくつものプロジェクトが世界の色々な場所で始まりました。スコットランドのフィンドホーン(Findhorn)、インドのオーロビル(Auroville)、アメリカ・テネシー州のザ・ファーム(The Farm)、スリランカのサルボダヤ(Sarvodaya)、そしてブルキナファソのNAAMムーヴメント。それは確かなことはわかりませんが、インドのスリ・オーロビンド(Sri Aurobindo)や彼のフランス人のパートナーであるthe Motherといった哲学者や賢者からの刺激だったのかもしれせん。

グリマンのレポートに基づき、スピリチュアルやエコロジー、または社会的な方向性を持つもっとも優れたコミュニティの人々20人と、グローバルで社会的なことに興味を持つ一般的な思想家何人かが、1991年の9月にガイア・トスト(Gaia Trust )とギルマン(Gliman)夫妻によってデンマークに招かれ、エコヴィレッジのコンセプトを発展させ、広めるための戦略について話し合いをしました。その時の思想家にはナチュラルステップ(Natural Step)の創設者であるカールへンリンク・ロバート(Karl-Henrik Robert)やデビッド・コルテン(David Korten/後の『企業が世界を支配する時』の著作者) が含まれ、エコヴィレッジをより広範な持続可能性を求めるムーヴメントの一環として見ていました。「お互いに知らなかった人々との間でつながりができ、彼らは同じものの見方ができるので夢中になって一緒に働くことができた。」とロス・ジャクソンは言い、さらに「世界的な戦略を成功させるためには、ネットワークを構築することが非常に重要だということがはっきりわかったのです。」と言っています。

3人のGENにおけるビジョンの共有者
ラダック・プロジェクト(Ladakh Project)のヘレナ・ノバーグ・ホッジ(Helena Norberg-Hodge)、ガイア・トラスト(Gaia Trust)のヒルダ・ジャクソン(Hildur Jackson)、オーロビル(Auroville)のマルチ・ミューラー(Marti Muller)

最初の全国的なネットワ―ク

デンマークがどの国よりもエコヴィレッジのコンセプトが一番発展していることも明らかになりました。おそらくそれはこの国にコーハウジングの歴史が20年もあったからでしょう。ガイア・トラスト(Gaia Trust)は1993年にまだ初期段階のエコヴィレッジなども含めてたくさんのメンバーをまとめあげ、Danish Association of Sustainable Communitiesを設立しました。


1994年、デンマーク第2回会議

グローバル・エコヴィレッジの戦略は、デンマークのThyで行われた第二回の会議で明確になりました。GENというネットワークはハミッシュ スチュワート(Hamish Stewart)が率いるガイア・トラスト(Gaia Trust)のデンマーク事務局で非公式に始まったものです。初期のメンバーにはスコットランドのフィンドホーン(Findhorn)のコミュニティーやアメリカ・テネシー州のザ・ファーム(The Farm)、ドイツのスタイヤーバーグ(Steyerberg)のレーベンスガルテン(Lebensgarten)、オーストラリアのクリスタルウォーターズ(Crystal Waters)、ロシア・サンクトペテルブルグのエコビル(Ecoville)、ハンガリーのギュリュフ(Gyurufu)、インドのラダック・プロジェクト(Ladakh Project)、アメリカ・コロラド州のザ・マニトウ研究所(The Manitou Institute)、そしてデンマークのAssociation of Sustainable Communitiesが入っていました。

1995年、フィンドホーン会議

1995年に開催された「持続可能性のための合意」のフィンドホーン会議の時に撮ったGENの立ち上げメンバーの写真:最前列目左から、ジョン・タルボット(John Talbot)(フィンドホーン財団)、マックス・リンデガー(Max Lindegger)(GENオセアニア/アジア)、デクラン・ケネディー(Declan Kennedy)(ドイツ レーベンスガルテン Lebensgarten)、アルバート・ベイツ(Albert Bates)(GENアメリカ、ザ・ファーム The Farm)、2列目左から1番目、ロバート・グリメント(Robert Gliment)(アメリカ、In Context Institute、左から4番目リンダ・ジョセフ(Linda Joseph)(ENAアメリカ・エコヴィレッジネットワーク会長)、3列目、左から2番目、ロス・ジャクソン(Ross Jackson)(ガイア・トラスト Gaia Trust共同設立者)、上列、右から1番目、ヒルダー・ジャクソン(Hildur Jackson)(ガイア・トラストGaia Trust共同設立者)。



GENは1995年に2つの大きなステップをふみました。ひとつは家族とともにフィンドホーンからデンマークに移住してきたステファン・ヴィク(Stephan Wik)がウェブサイトを開設したことで、もうひとつはフィンドホーンで会議が開かれたことです。「21世紀のためのエコヴィレッジおよび持続可能なコミュニティ」はガイア・トラスト(Gaia Trust )から財政的な援助を受けたフィンドホーン・コミュニティとGEN(ジョン・タルボット John Talbotとダイアン・ギルマン Diane Gilman)によって開催されました。「大成功だったよ。」とロス・ジャクソン(Ross Jackson)は言いました。「一週間にわたる会議は世界40カ国から400人以上が参加し、他にも参加を希望していた300人もの人々を断らなければならなかったんだから。」

この会議を通じて、地理的に世界をカバーするために、情報を管理するセンターを持つ3つの自立的な地域ネットワークを設立することが決められました。アメリカのザ・ファーム(The Farm)、ドイツのレーベンスガルテン(Lebensgarten)、オーストラリアのクリスタルウォーターズ(Crystal Waters)です。ガイア・トラスト(Gaia Trust )はこのネットワークの費用を支えるために3〜5年関与し、デンマークの事務所からコーディネートする役割をしていました。

そして同じ時期に予算と人材が許せばすぐに、地域にまたがって世界的なサービスをしていこう、という目標が置かれたのです。


参考資料:

ロバート&ダイアン・ギルマン(Robert and Diane Gilman)著「エコヴィレッジおよび持続可能なコミュニティ〜ガイア・トラストのレポートより〜」(ガイア・トラストGaia Trust、1991)

「21世紀のためのエコヴィレッジおよび持続可能なコミュニティ」(フィンドホーン会議議事録1995)


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